政府が要請している就職・採用活動の日程
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本ページの日程と制度の記述は、内閣官房など関係省庁の公表資料と、公表された調査で確認できた範囲だけを書いています。2026年10月時点の整理で、日程は政府の要請に基づく一般的な目安であり、企業により異なります。
新卒の就職活動の日程には、企業と学生が守るべき決まりとして、政府が毎年度とりまとめて経済団体などに要請している基本のルールがあります。内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が参加する「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」が定めるもので、法律ではありません。連絡会議の文書は、この要請が企業の採用活動を法的に拘束するものではないと明記しています。そのうえで、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境を実現するためのものと位置づけています。
28卒にあたる2027年度の卒業・修了予定者に向けた文書は、2025年12月26日にとりまとめられました。日程の基本は、次の三つです。
- 広報活動の開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動の開始:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
この日程は、2017年度の卒業・修了生以降に適用されているルールで、変更されていません。したがって、27卒にあたる2026年度の卒業・修了予定者にも同じ日程が当てはまります。ただし、専門活用型インターンシップ(実施期間が2週間以上)に参加した人材の採用選考活動の開始については、従来どおり例外とされています。日本商工会議所が掲載した要請の概要でも、春休み以降に実施される2週間以上の専門活用型インターンシップを通じて高い専門性が認められた学生は、広報期間を短縮して6月より前に選考に進めると説明されています。
さらに、連絡会議の文書は、日程ルールの遵守とあわせて、内定承諾の強要などを指す「オワハラ」等の防止に向けた取組を、関係者に改めて要請しています。具体的な相談先はトラブル防止のページで整理します。
もう一つ重要なのは、この文書が、2028年度(2029年3月)以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動について、日程ルールの見直しの検討を進めると記している点です。29卒以降は、日程の考え方が変わる可能性があります。
出典:就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」(令和7年12月26日)、日本商工会議所「2027年度(2028年3月)卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」
インターンシップの4類型と、取得した学生情報の扱い
インターンシップや企業の説明会は、名前のうえでは似ていても、中身や就職活動との関係が大きく違います。文部科学省、厚生労働省、経済産業省は、2022年6月13日に、インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の基本的考え方を一部改正しました。これは、経団連と大学関係団体の代表者で構成される産学協議会が整理した四つの類型に基づいています。
- タイプ1:オープン・カンパニー
- タイプ2:キャリア教育
- タイプ3:汎用的能力活用型・専門活用型インターンシップ
- タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)
このうち、インターンシップと呼べるのはタイプ3とタイプ4で、学生の就業体験が必須です。タイプ1とタイプ2は、従来インターンシップと呼ばれていた取組のなかにも含まれますが、新しい整理ではインターンシップとは称さないとされています。タイプ3の要件には、実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること、職場の社員が学生を指導しフィードバックを行うこと、実施期間が汎用的能力活用型では5日間以上、専門能力活用型では2週間以上であること、学部3年・4年や修士1年・2年の長期休暇期間に実施することなどが挙げられています。
学生にとって実務上重要なのは、取組で企業が取得した学生情報を、採用活動にどう使えるかというルールです。次の表のように、実施の時期とタイプによって取扱いが変わります。
| 取組の実施(開始)時期 | 学生情報の基本的な取扱い | タイプ3のインターンシップの場合 |
|---|---|---|
| 卒業・修了前年次の2月末まで(広報活動開始前) | 広報活動・採用選考活動に使用できない | 取得した学生情報を、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使用できる |
| 卒業・修了前年次の3月から卒業・修了年次の5月末まで | 広報活動に使用できる | 6月以降は採用選考活動にも使用できる |
| 卒業・修了年次の6月以後 | 使用できる | 使用できる |
文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日一部改正)の別紙に基づく。令和6年度以降の卒業・修了予定者を対象とする令和5年度以降の取組の取扱い。
この表から分かるのは、タイプ3に当たる要件を満たしたインターンシップに限り、取得した学生情報を採用選考に使えるという点です。早い時期の説明会やオープン・カンパニーに参加したことが、そのまま選考の評価に使われるわけではないというのが、制度上の整理です。実際に参加を決めるときは、企業の募集要項に、プログラムの趣旨、期間、就業体験の内容、フィードバックの有無、学生情報の活用の有無がどう書かれているかを確認すると、制度との関係が分かります。
出典:文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
実態:早期化と長期化が進んでいる
政府が定める日程と、実際の就職活動の動きには、ずれがあります。連絡会議の文書は、内閣府が学部4年生と大学院2年生を対象に行ったアンケート調査などをもとに、この実態を次のように整理しています。
- インターンシップ等には、学生の約7割が参加しており、参加は卒業・修了前年度の7月から本格化している。
- 参加者の約7割が「早期選考の案内」を受け、約6割がその後の採用説明会やセミナーに参加し、約5割が採用試験や面接等を受けている。
- エントリーシートを最初に提出した時期は、卒業・修了前年度の9月以前が約4割で、広報活動開始の3月の約1割を上回っている。
- 4月までに累計で学生の約9割が採用面接を受け、約7割が内々定を得ている。6月までには累計で約9割の学生が内々定を受けている。
- 就職・採用活動に9か月程度以上の期間を要した学生の割合は、令和2年度の約3割から、令和6年度には約5割へ増えている。
マイナビキャリアリサーチLabが2025年10月に実施した調査(2027年3月卒業見込みの大学3年生・大学院1年生、有効回答1,396名)では、インターンシップ・キャリア形成活動への参加率(累計)は87.1%でした。内訳は、オープン・カンパニー&キャリア教育等が71.8%、仕事体験が57.0%、5日間以上のインターンシップが27.7%と報告されています。この調査は一年前の27卒の数字ですが、28卒の学生が、秋冬の時期にどのくらいの活動をしているかを考える参考になります。
こうした数字から言えるのは、日程ルールの上では3月が広報活動の開始でも、実際の準備と企業との接点は、それよりずっと早くから始まっているということです。ただし、数字は調査主体や調査時期、対象によって異なり、すべての学生や企業に当てはまるわけではありません。自分の志望する業界の動きは、企業の採用ページや大学のキャリアセンターで確認することが大切です。
出典:関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」、マイナビキャリアリサーチLab「2027年卒 大学生キャリア意向調査(中間総括)」
28卒のこれからの動き方:大学3年の秋から春まで
28卒の学生は、2026年10月の時点で大学3年生または修士1年生です。秋冬のインターンシップや早期選考の案内が増えてきますが、あわてる必要はありません。やるべきことを小さく分けて、順番に進めていけば大丈夫です。ここでは、時期ごとの具体的な行動の例を挙げます。企業によって日程は異なるため、あくまで目安として使ってください。
10月から12月:材料を集める時期
- 自己分析を始める。これまでの経験を書き出し、どんな場面で力を出せたか、どんな環境が合うかを振り返る。
- 秋冬のインターンシップやオープン・カンパニーに、関心のある業界から2、3件申し込んでみる。募集要項で、期間やフィードバックの有無を確認する。
- 就活用のメールアドレスを決め、応募した企業や参加した日程を表にまとめる習慣をつける。
- 大学のキャリアセンターに登録し、面談や講座の案内を受け取れるようにする。
1月から2月:準備を整える時期
- エントリーシートの下書きを作る。ガクチカ、自己PR、志望動機の三つを、まず短い文章で書いてみる。
- 適性検査(SPIなど)の問題形式に慣れる。
- OB・OG訪問や口コミサービスで、気になる企業の働き方を調べる。
- 必要に応じて、新卒エージェントやスカウト型サービスを使い始める。比較表やサービス早見表で、対象卒年と条件を確認する。マイナビ新卒紹介のように、28卒向けの企業紹介が2027年3月以降と案内されているサービスもあります。
3月:広報活動の開始
- 政府の日程ルールでは、広報活動の開始は3月1日以降です。企業の説明会やエントリーの受付が増える。
- プレエントリーを管理し、締切を表に整理する。
- 面接の練習を、キャリアセンターや新卒応援ハローワークで行う。
4月から6月:選考の時期
- 日程ルール上、採用選考活動の開始は6月1日以降ですが、専門活用型インターンシップ経由などの例外があり、実際には企業によって動きが異なります。
- 複数の企業の選考が重なる時期は、予定を週単位で見直す。学業との両立のため、無理な詰め込みは避ける。
この流れは、「早く動けば有利」という競争を勧めるものではありません。大切なのは、自分の考えを少しずつ言葉にしていくことです。情報を集める時間を確保できていれば、早期選考の案内を受けたときにも、落ち着いて参加を判断できます。
27卒のこれからの動き方:大学4年の秋以降
27卒にあたる学生は、2026年10月の時点で、正式な内定日である10月1日以降の時期にいます。すでに内々定を得ている学生も、まだ就職活動を続けている学生もいます。それぞれの状況に応じた動き方を整理します。
内々定を得ている場合
内定の承諾の期限や、承諾の条件は企業によって異なります。返事の期限や、就職活動を続けてよいかどうかについて、企業の担当者に確認します。内定承諾を強く迫られたり、他社の選考を辞退するよう求められたりして困った場合は、一人で抱え込まずに、大学のキャリアセンターや、都道府県労働局・ハローワークの窓口に相談できます。具体的な相談先はトラブル防止のページで紹介しています。
まだ就職活動を続けている場合
10月以降も、企業の採用活動は続いています。大学のキャリアセンターでの相談、新卒応援ハローワークの利用、新卒エージェントの面談などを通じて、現在も募集している企業を探せます。新卒応援ハローワークは、大学や短大などを卒業予定の学生と、卒業後3年以内の人を対象に、相談や面接練習、就職面接会などを無料で提供しています。既卒の扱いになる場合も相談できるので、卒業後の見通しに不安があるときも、早めに相談してみてください。
エージェントを使う場合は、対象卒年に27卒が含まれているかを公式サイトで確認します。新卒エージェントの比較表では、27卒を対象と案内しているサービスを確認できます。内定が出ていないことを不安に感じすぎず、自分に合う情報源を使い分けながら、一歩ずつ進めていきましょう。
