ニュースの概要
WWFジャパンが連載する「環境サステナ就活ナビ」の第6回に、シュナイダーエレクトリックジャパンホールディングスで働くソ ムンヒョンさんが登場した。テーマは、企業とNPOのつながりから見えたサステナビリティの本気度である。環境やサステナビリティを軸に就職先を探した先輩が、何を手がかりに企業を見極め、入社を決めたのかを語る内容だ。企業の発信する理念や数値目標だけでなく、NPOなど外部の専門団体とどう向き合っているかが、学生にとって信頼できるかどうかの判断材料になる。環境分野を志す学生にとって、就活の進め方を具体的に考えるヒントになる記事である。
引用元: 【環境サステナ就活ナビ】先輩たちの就活ストーリー Vol.6: 「企業とNPOのつながりから見えた、サステナビリティの本気度」 ソ ムンヒョンさん (シュナイダーエレクトリックジャパンホールディングス株式会社)(WWFジャパン)
分析・見解
理念の言葉より、外部団体との関係が本気度を映す
どの企業も採用サイトでは環境への思いを語る。しかし言葉だけでは、学生は違いを見分けにくい。そこで手がかりになるのが、NPOとのつながりである。
NPOは企業に対して、時に厳しい意見も述べる立場にある。その団体と継続して対話し、共同で取り組みを進めている企業は、外から見られることを受け入れている。広報用の宣言より、第三者との実績のほうが偽りにくい。ソさんの視点は、この点を押さえている。
「グリーンウォッシュ」を見抜く学生が増えている
環境に配慮しているように見せかけて実態が伴わない行為は、グリーンウォッシュ(=見せかけの環境配慮)と呼ばれる。欧州では2024年に、根拠のない環境表示を規制する流れが強まった。日本でも景品表示法の運用で、環境表示への監視が厳しくなりつつある。
学生は、ニュースやSNSでこうした事例を見て育った世代だ。サステナビリティ報告書の美しい写真より、誰と何を測り、何を公開しているかを見る。企業が就活生に対しても、検証される前提で語る必要が出ている。
エネルギー管理企業だからこそ問われる事業との一致
シュナイダーエレクトリックは、電力の管理や省エネ設備を主力とする。つまり、環境課題の解決そのものが売上に直結する会社である。この構造は、学生にとって理解しやすい。
事業が環境に貢献し、さらに外部団体とも組む。この二つがそろうと、サステナビリティが一部の部署の活動ではなく、経営の中心にあると伝わる。逆に、本業と環境活動が切り離されている企業は、どれほど寄付や植林を続けても、説得力が弱くなる。
就活の価値観が、採用市場を静かに変えていく
将来の働き方を考えるとき、若い世代は給与や知名度に加え、社会に対する姿勢を重視する傾向を強めている。複数の就活意識調査でも、社会課題への取り組みを企業選びの条件に挙げる学生が年々増えている。
今後は、NPOとの協働実績が採用競争力の一部になるだろう。そして、実績を持たない企業は、短期間で作ろうとして浅い連携に終わりやすい。時間をかけた関係づくりが差になる。
ビジネスへの影響
採用広報では協働の中身を具体的に見せる
人事や広報の担当者は、NPOとの関係を「提携しています」の一言で済ませてはいけない。いつから、何を目的に、どんな成果が出たのかを示す必要がある。数字や失敗した点も併せて出すと、信頼されやすい。
学生向け説明会では、実際に連携を担当する社員を登壇させたい。ソさんのような若手社員が自分の言葉で語るほうが、パンフレットより伝わる。
小さく始めて、継続できる連携を選ぶ
中小企業が大手と同じ規模で取り組む必要はない。地域の環境団体との清掃活動や、取引先を巻き込んだ省エネ診断など、身の丈に合う活動で十分である。大切なのは、続けることと、成果を公開することだ。
一度きりのイベントで終わらせず、年間の計画に組み込む。予算と担当者を決めれば、担当が替わっても活動が途切れにくい。
経営判断として、外部の目を取り込む仕組みを作る
意思決定者は、サステナビリティを広報の課題でなく、経営の課題として扱いたい。NPOや専門家に意見をもらう場を設け、指摘を方針に反映する仕組みが有効だ。外部の厳しい意見を受け止める姿勢は、採用だけでなく、取引先や投資家からの評価にもつながる。
